2021年10月28日に、「多様な働き方を実現するエンジニアの実態〜メルカリ・エンジニア組織の大解剖〜」というイベントを開催しました。
この記事はその中のセッションの1つ、「パネルディスカッション – エンジニアのさまざまな働き方 」の書き起こしです。
詳しくはYouTube上にある配信アーカイブをご視聴ください。
当日行われたその他セッションの書き起こしは以下でご覧いただけます。
- 【書き起こし】多様な働き方を実現するエンジニアの実態 – 数字で見るエンジニアのリモートワーク
- 【書き起こし】多様な働き方を実現するエンジニアの実態 – パネルディスカッション: フルリモートでのEMの仕事 –
イントロダクション
Engineering Officeの@t-hiroiです。メルカリのフルリモートワークは2020年2月末くらいからはじまったのですが、働き方はさまざまです。YOUR CHOICEという制度で、一人ひとり働き方を選択できますので、たとえば自宅で仕事をしている人もいれば、逆に家より出社する方が好きだという人もいます。地方の人もいれば、ワーケーションや家を持たずにノマドのような働き方を選択している人もいます。
このパネルディスカッションでは色々な働き方がある中で、なぜそういう働き方を選んだのか、さらにそれぞれの特徴やメリットデメリットなどをお届けします。
登壇するのは次の3人になります。
- モデレーター: @t-hiroi
- パネリスト: @m-nagai、@sadah
自己紹介
@t-hiroi: まず私から。私はエンジニアのサポートを行う、Engineering Officeでマネージャーをつとめています。
評価制度のベースになっているEngineering Ladderの作成や、ディビジョン全体のドキュメンテーション整理、オンボーディングコンテンツの作成、エンジニアの社内異動制度を作ったりしています。前職では、広告プロダクトの立ち上げをエンジニアリングマネージャー(以下EM)として行っていました。よろしくお願いします。
@m-nagai: 僕は2021年9月にバックエンド開発のソフトウェアエンジニアとして入社しました。
ずっと名古屋に住んでいて、前職はシステム開発に関わる仕事でした。その際には、Webアプリケーション開発でバックエンドエンジニアや、マネージャーを担当していました。よろしくお願いします。
@t-hiroi: では3人目。@sadahさんお願いします。
@sadah: メルコインにてソフトウェアエンジニアとして、バックエンド領域を担当しています。メルカリには約3年在籍していて、入社当時はメルカリJPでモバイルチームのEMをしていました。その後、@t-hiroiさんと同じEngineering Officeに異動して、エンジニア採用や研修を担当しました。メルコインには2021年7月から所属しています。
前職ではグッドパッチというスタートアップでCTOをしたり、食べログのインターネット予約サービスを開発していました。よろしくお願いします。
@t-hiroi: @sadahさんはワーケーションも行われていたということで、後ほど詳しく聞かせてください。
今の働き方を選んだ理由
@t-hiroi: では最初のテーマに入っていきます。まず今の働き方を選んだ理由についてです。@m-nagaiさんは名古屋から働いていますが、その働き方を選んだ理由について教えてください。
@m-nagai: 僕は前職で働いている時に、新しいチャレンジをしたいと思っていました。もっと規模の大きい、社会にインパクトが与えられるような会社で働きたいなと。ただ、地元の名古屋ではそういった会社はあまり多くありません。そんな中、以前一緒に働いていた方がメルカリにいて、その方に紹介されて入社に至りました。
メルカリは東京の会社ですが、話を聞いたところYOUR CHOICEがちょうどはじまるタイミングでした。それによって名古屋から働けるとのことだったので、チャレンジしてみようと入社を決めました。
@t-hiroi: 今は自宅からフルリモートで働いているそうですが、良かった点はありますか?
@m-nagai: 小さい子供がいるので、一緒にいる時間が増えたり、妻のフォローができるといったプライベート面はメリットがあります。コロナ禍ということもあって、多人数との接触がなければ感染リスクが抑えられますので、健康面でのメリットを感じています。ただ実際にリモートワークになると、運動不足や仕事とプライベートの切り替えの難しさも感じています。
@t-hiroi: 子供はあっという間に大きくなるので、一緒の時間が長いのは嬉しいですよね。では続いて@sadahさん、お願いします。
@sadah: はい、私は鎌倉に住んでいるのですが、東京オフィス(六本木)まで90分くらいかかります。正直遠いなと思っていたので、今思うと、頑張って毎日出社してたなと感じます。自宅については長く住んでいるので、すきま風があるなどガタが来ていました。出社していた頃は気にならなかったのですが、フルリモートになると自宅環境が辛く感じるようになりました。そこでリフォームしようと決めたのですが、リフォーム中の騒音問題が懸念されました。そこで、どうせならリフォーム中はワーケーションをしようと、2週間くらい北海道に行ってきました。
@t-hiroi: なるほど。家が使えないからワーケーションしようというのがピンチをチャンスに変えようという発想みたいで良いですね
フルリモートでの仕事環境について
@t-hiroi: では次の話題として、フルリモートでの仕事環境について取り上げていきます。今回、皆さんには仕事環境の写真を撮ってもらっていますので、その写真を見ながらお話を聞いていきましょう。
@m-nagai: まず僕ですね。まだ9月入社と言うこともあって環境は整っていないのですが。これは実は寝室で、机を持ってきてモニターやマイクを用意しています。僕の仕事中は、家族はリビングや他の部屋にいてもらっています。
メルカリに入って英語で会話する機会が増えています。英語が得意な方ではないので、音声が悪いとなおさら意思疎通に問題が出ると思ったので、マイクは良いものを選んでいます。PCは会社から支給されたMacBookなのですが、家族が寝ている時間に急遽仕事することもあるかと思い、持ち運びしやすい13インチを選んでいます。ただ、それだとディスプレイが小さいので、外付けモニターを用意しています。それもあって、MacBookと仕事机はケーブル1本の接続にしていて、すぐ移動できるようにしています。
あとは使い慣れたキーボードとマウスを使って仕事をしています。
@t-hiroi: すぐに移動できるのが良いですね。マイクは私も同じ理由でこだわっています。ということで次は私ですね。
こだわっているのはキーボードですね。分割できるものなどを試したのですが、デュアルキーボードが私の中では最強だと至りました。キーボード自体は安価なものです。あと、椅子は写っていないのですがWIN CASEというゲーミングチェアを使っています。最初は安い椅子を使っていたのですが、2ヶ月くらいしたら腰が痛くなりました。椅子は大事ですね。
あと、一番こだわっているのがネットワークですね。リモートワークではネットワークが重要なので、ベランダ越しに有線ケーブルを強引に引っ張ってきています。LANケーブルは薄いのを使って、今日みたいなイベントを行う際には有線で繋いで、ネットワークを安定させています。では最後に@sadahさんお願いします。
@sadah: はい。この写真はリフォームが終わった直後で、奥に段ボールがあったりして、片付いていなくて恐縮ですが。
机は電動で昇降する、スタンディングデスクを導入しました。椅子はエルゴヒューマンのプロオットマンを使っています。キーボードはRealforceになります。ミーティング時にはAfterShokzという骨伝導のイヤホンを使っています。リモートワークをしながら、徐々にガジェットを集めていったら、だいぶそろってきた感じですね。
フルリモートで工夫していること
@t-hiroi: フルリモートで工夫している点について、@m-nagaiさんはいかがですか?
@m-nagai: 僕の環境では家族が家にいる状態なので、毎朝ミーティングの予定を共有しています。ミーティング中に突然、仕事場(寝室)に入ってしまうことがないように。とはいえ、子供は気にせず入ってしまうのですが。あとは気持ちの切り替えとして、必ず着替えるようにしています。
@t-hiroi: 着替え必要ですよね。私は時々着替えずに働いてしまうことがあるので、見直そうと思いました。@sadahさんは工夫していることはありますか?
@sadah: そうですね。だいぶ仕事環境が整ってきたので、この机に向かうと働くモードになる気がします。自宅に職場環境があるという感じかも知れません。
@t-hiroi: なるほど。プライベートでパソコンを使う際には環境を分けているのですか?
@sadah: 先ほどの写真で机の下にあるのがゲーミングPCになります。ただ、ディスプレイを切り替えないと使えないので、仕事が終わったら切り替えてゲームしたりしています。
@t-hiroi: やはりそうですよね、分かります。私も同じくゲーミングPCとモニターを共有していて、切り替えをしています。では次に、リモートワークで困ったことについて、@sadahさんからお願いします。
@sadah: リフォームした要因でもあるのですが、西日が強かったことです。そのため、リフォームでガラスを二重の遮熱対応のものに変えました。あと、ネットワークの調子が悪かったので改善していった結果、今はメッシュWi-Fiを導入しています。
@t-hiroi: なるほど、課題をリフォームで解決したのですね。@m-nagaiさんはいかがですか?
@m-nagai: 僕はとにかく運動不足ですね。体重が増えているのが気になっています。あとは僕もネットワークが不安定でメッシュWi-Fiも検討したのですが、今は中継器で逃げている状態です。
@t-hiroi: なんだかんだ、有線が最強ですよ(笑)。
ワーケーションについて
@t-hiroi: では最後に、@sadahさんのワーケーション経験について共有をお願いします。
@sadah: 私が行ったのは北海道の東川町というところです。だいたい北海道の真ん中で、旭川空港から車で15分くらいの距離になります。滞在先はAirbnbで探しました。キッチン付きでコンビニも近かったので、利便性はとても良かったです。仕事しやすいように、あらかじめ27インチディスプレイを配送していたのですが、備え付けの椅子が硬かったんですよね。そこはちょっと辛かったです。
ワーケーション中は通常の仕事の他、オンラインの採用会食も行っていて、食べ物を配送してくれるサービスも利用できました。ちなみに現地には21インチで少し小さいのですが、ディスプレイのレンタルサービスもありました。東川町は移住やワーケーションに力を入れており、良い町だと思います。
で、やはりワーケーションなのでバケーションの話もしておきます。たとえば北海道最高峰の旭岳に登山しました。実質登ったのは700Mくらいですが、意外と大変でしたね。あとは自転車が好きなので、ロードバイクをレンタルしてダムへ行ったり。macOSの壁紙として有名な美瑛町の青い池にも訪れて、北海道の紅葉も楽しめて良かったです。写真にあるローズマリーは現地で収穫して、今自宅で育てています。真面目に働きつつ、バケーションも楽しめて良かったです。
@t-hiroi: まだまだ話したいこともありますがここで終了とさせていただきます。ありがとうございました。
Q&Aタイム
@t-hiroi: ではここからQ&Aタイムとなります。
— Q: ワーケーションは生産性が上がると聞きますが、主軸が仕事ではないので業務中は普段よりストレスが感じる気がしますがいかがでしょうか?
@sadah: やってみて思ったことですが。ワーケーションはワークとバケーションが一緒くたになっていますが、ワークとバケーションを分けて楽しめば良いと思います。生産性が上がるかは分かりませんが、楽しかったのでストレスを感じることはなかったです。少なくとも生産性が下がることはないと思います。ただ、ストレスなく働けるようにディスプレイを用意したり、工夫は必要だと思います。
@t-hiroi: チームでワーケーションを実施しているケースはありますか、という質問も来ています。コロナ禍ということもあって合宿もできませんでしたので、聞いたことはないですね。
@sadah: 今はまだ聞かないですが、面白そうですね。
@t-hiroi: そうですね。合宿プラスアルファで楽しむのは良さそうですね。良い気づきを得ましたね。
— Q: 緊急事態宣言後もリモートワークをしたことがないので、まずリモートワークで働くのはどんな感じか聞きたいです。
@umechan: 妻と一緒にランチに出かけたりできるのは良いことかなと思いますね。また、最近ではコロナ禍が落ち着いてきたこともあり出社することもあるのですが、その際にリモートでしか会ったことのなかった人に実際に会うと、 “初めまして” ではないのに対面では"初めまして"となるので不思議な感じですね。
@t-hiroi: 分かります。背の高い方だと思っていたら、実際はそんなことなかったりとかもありますよね。
@umechan: ですね。逆に170cmくらいかと思っていたら180〜190cmくらいあって、おおって思ったり。
@kimuras: リモートワークの会議は話すタイミングが難しいですが、みんなファシリテーションが上手になりましたね。
@umechan: そうですね。声がかぶると聞こえなくなってしまいますからね。
@kimuras: 話すタイミングを読むというか…最初はギクシャクしていましたよね。
@t-hiroi: 被る回数は減っていますね。この人喋りそうだな、と空気が読めるようになった気がします。
— Q: 地方と都心で差はありますか?差がなければ、どれくらい地方に移住した方がいて、どのように働き方が変わったのかを知りたいです。
@t-hiroi: 数字は出していないですが、感覚値としては少し都心から離れた方が多いですね。狭いと働きづらいので、少し都心から離れて大きい家にという声をよく聞きます。皆さんいかがですか?
@kimuras: 親の介護で、という話は結構聞きます。YOUR CHOICEを利用して、親の近くで働きたいという方を何人か聞いています。
@t-hiroi: @m-nagaiさんのように地方に住んでいて、入社されてから一度もオフィスに来ていないという方も最近は多いですね。
— Q: ワーケーション先でのネットワーク環境に不安はなかったのでしょうか?
@sadah: セッションではお話していなかったですが、ネットワークは良くなかったです。それは予想していたので、ドコモの一番強いプランに変更していました。そうするとテザリング無制限なので、ほぼテザリングだけ使っていましたね。やはりエンジニアはネットワーク大事ですね。
@t-hiroi: ワーケーションに限らず、今の働き方が定着する前は、ネットワークが不安定な方、結構いましたよね。会社のWi-Fiルーターを使っている方もいましたし。
@sadah: そうですね。ドコモのテザリングの場合、数十Mbpsくらいは出ますので、docker pullやnpmインストールなど大量のダウンロードさえ行わなければ大丈夫そうでした。
— Q: リモートワークでのモチベーションをどうやって維持していますか?
@kimuras: メンバーのモチベーションを考えると、リリーススピードを止めないことを意識しています。ブロッカーを排除して、今までどおりモノを作れる状態を維持しています。やはり開発者としては、モノが出せないのがストレスになると思うので。リリーススピードは今までと同じか、もうちょっと早くなったくらいです。
@t-hiroi: 目に見える成果は大事ですよね。逆にモチベーションが下がっているケースとかありますか?
@kimuras: 特にはいないと思います。ただ、メルカリには海外から来た方がたくさんいて、入社してすぐにコロナ禍になってしまった人たちがいます。同僚と気軽にご飯に行ったりできませんし、少し心細いと感じている方もいるかもしれません。
@t-hiroi: そうですね。部活もほとんど動いていない状態ですしね。モチベーションという意味では、全体では下がっていないと思いますがどうでしょう。私の周りではリモートワークが好きで、もう出社したくないと言っている人もいるほどです。
@kimuras: メルカリの場合、圧倒的にそういう人が多い印象ですね。
— Q: フルリモートになって明らかに パフォーマンスの低下したメンバーはいますか?その場合はどのようなフォローされていますか?
@kimuras: そういった方は、ほぼいない気がします。ただ、フルリモートが好きではないという方は一定数います。そういう方たちはコロナの感染状況を見つつ、自発的に出社していますね。メルカリでは個人の好み、スタイルに合わせて働けるので、各自でモチベーションを保つ努力をしているのだと思います。
@umechan: パフォーマンスが下がっているからという訳ではないですが、ちょっとしたコミュニケーションをしたい人たちもいます。仕事の話はするのですが、それ以外の雑談する時間が取れなかったので、今は雑談だけする時間を作ったりしています。
@kimuras: 色々なチームが取り組んでいますね。毎日15分、コーヒータイムみたいな名前で。
@t-hiroi: 私も週一でコーヒータイムは実施していますね。@m-nagaiさんはどうですか?入社したばかりということもありますので、雑談の機会などは必要でしょうか。
@m-nagaii: 入社したばかりということもあって、馴染めないとか会社がよく分からないと感じることは正直ありました。今取り組んでいるのが、週1回くらいのペースで、ランダムに1対1で雑談する時間を作っています。いいとも形式で、話してくれた人に次の方を紹介してもらっているのですが、なるべく自分とは距離の遠い方をお願いしています。もっとメルカリのことを知ろうと思ってはじめたのですが、精神的にも安定します。
@t-hiroi: 雑談大事ですね。
@m-nagai: 私も入社した時そうだったよ、とか不安だよねみたいな話を聞いてもらえたり。メルカリってこうだよって話を聞けたりもします。一緒に働いているメンバー以外にも知っている人たちがいるというだけでも安心しますね。
@t-hiroi: そろそろ時間になったのでQ&Aの時間を終了したいと思います。ありがとうございました。
一同: ありがとうございました。
さいごに
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