Next Direction of Engineering Office

メルカリJP Engineering Office Directorのhisahikoです。今回は「未来に向けたメルカリのエンジニアリング組織づくり」というテーマで書いてみたいと思います。

昨年末のメルカリアドベントカレンダーで組織強化を担当する我々Engineering Officeのことを記事にしました。今回はそちらの続編に近い内容で、我々が取り組んでいる組織強化に関して、これから未来に向けてどのようなことを進めていくかを紹介していきます。

次の方向性

Engineering Officeでは2019年から2022年の3カ年計画として、Engineering Office Vision2022を掲げて、Provide Best Employee Experience for Engineer in Mercariというミッションの達成に向けて進んでいます。このあたりの詳細は前回の記事に詳しく記載しています。

2019年から2020年の活動を通じて、採用プロセスの見直し、Engineering Ladderを軸としたエンジニア向けの評価制度の導入などエンジニア人事的な活動は、大きく進捗し、その成果の上で採用や評価が行われる状態を作ることができました。Engineering Office Vision2022で掲げた状態目標の仕上げをしつつ、メルカリグループの向かう方向に向かって、より組織的に力強く進めていくために、未来に向けたアップデートを行っていく必要があると考えています。

今回は今後Engineering Officeが注力していくポイントを紹介していきます。

World famous in the post covid-19 situation

メルカリは2017年頃より組織のグローバル化を推進してきました。それをさらに促進するため日本国内だけではなく世界での認知度向上を目指していきます。また2020年初期に突如発生したコロナ禍でコミュニケーションや情報発信の仕方も大きく変わってきました。ピンチをチャンスにできるように、Post Ccovid-19の状況に適したDeveloperPRを推進していきます。

グローバルに向けての認知度の向上

現在のメルカリJPのエンジニア組織はグループ内でもかなり国籍の面でのダイバーシティが進んでいるチームになっています。2021年10月時点で東京オフィスに所属するエンジニアの約5割が日本以外の国籍の方になっています。
そのような状態も鑑み、より世界のたくさんの方に興味を持っていただくことを推進していきたいと考えています。海外のエンジニアに向けたメルカリおよびメルカリのエンジニア組織の認知度向上を推進していきます。Tech BlogやMercari Engineering Twitterの英語での情報発信など、海外からのアクセス強化を進めていきます。

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Post COVID-19の情報発信

2020年初頭から世界を襲ったCOVID-19のパンデミックは、Engineering Office Vision2022を書いた時点ではもちろん想像されていませんでした。それによる大きな影響をうけて、計画していた大規模なオフラインイベントなどの施策は実施が難しくなりましたが、かわりにYouTube でMercari Gears Lecture Seriesの配信を開始、あたらしいオンラインの情報発信のチャネルにチャレンジする事ができました。こちらでも海外のスピーカーを招いての情報発信を行っています。
仕事の仕方も大きく変わり、リモートでの出社しない働き方が定着する中で、グループ全体としてはYour Choiceという次の働き方の方向性を打ち出すことができました。ワクチンの接種が進んできたこともあり、オフラインを含めた次の情報発信の形の検討を進めていくことにもチャレンジしていきます。

多様な人で構成された組織で大きな目的を達成する

言葉も国籍も異なるエンジニアが、より効果的にミッションの達成のために協力する環境をいかに作っていくかということも大きなテーマです。

エンジニアならではの多様性とエンゲージメント

国籍の多様性については少し紹介しましたが、エンジニアならではの論点として、携わっている技術や得意な仕事のスタイルにも多様性はあると考えています。世の中には多種多様なタイプの優秀なエンジニアの方がいますので、そのような方たちをスタイルにこだわらず受け入れ、エンゲージメントの高い状態で一緒に働ける環境を作ることは組織の成長にとってとても重要だと考えています。
メルカリでは会社としてMissionとValueを、エンジニア組織としてEngineering VisionとEngineering Principlesを、目指す方向性と尊重されるべきスタンスを定めています。それに共感してくれる優秀な方々が、国籍や性別など問わず自分のスタイルを生かして存分に貢献できる組織を目指していきます。

コンセプトをドキュメント化する理由

メルカリではここ何年か英語というツールを使って同じチームでエンジニアリングを行っていくための環境づくりを進めてきました。その結果、国籍的に多様な現在の組織を作ることができました。
次のステップとして、より効率的により正確に、多様なバックグラウンドのエンジニアたちが目的や目線を合わせることができるようにするために、具体的な項目ごとに共通認識となるドキュメントの拡充を進めていきます。Engineering LadderEM Role Definitionなどがその代表的なものになります。
エンジニアの評価やEMの役割は、人によって考え方が違うことも多く、また状況によっていろいろな解釈をすることができるものです。そのような事項については、それについて迷ったり、誰かと意見の対立があった際に立ち戻って議論する場所をつくる事が重要だと考えています。定義をしていくことはそのような場所を作る意味合いを持っています。

カルチャーを継続的にみんなでアップデートしていく

また、制度や定義は一度作っただけでは形骸化してしまいがちです。LadderやRole Definitionなどは、Committeeを編成して常に現状や将来の向かう方向に合わせて定期的なアップデートを行うようにしています。それを通じ、その時々において効果的なものにしていく仕組みを作っていきます。またその内容がアップデートの過程で議論されることによって、より良いものにブラッシュアップされていきます。その活動が皆で最善の環境を作っていくための仕組みにもなっていきます。
紹介した制度以外にもエンジニアリング組織にはとても多くの論点があります。それら組織的な活動についてトピックごとに皆が議論して、方向性の認識を合わせていくような仕組みを作っていきます。

支える仕組みを作る

これからもメルカリは採用を進め、世界中から参加してくれるエンジニアが増えていくことになります。人数が増えると情報伝達・情報共有の難易度は比例して上がっていきます。その仕組を整えることにもチャレンジしていきます。

Knowledge Baseの挑戦

現在Engineering Officeではエンジニアが必要とする情報を集約する基盤としてKnowledge Baseの構築プロジェクトを進めています。単なるWikiなどのKnowledge managementのツールの導入だけを行うのではなく、ドキュメントの種別の定義し、種別ごとに適した管理を行いっていく仕組みの設計、および必要な情報を共有しやすい形に皆がアウトプットするカルチャーづくりを行っていくというアプローチを取っています。
情報共有は世の中のざまざまな組織が課題として取り組んでいますが、決まった形の成功パターンがあるわけではありません。メルカリの状況に合った仕組みとカルチャーを作り上げていく挑戦を進めていきます。

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キャリアデベロップメントの機会を創出する

メルカリに関わる全てのエンジニアが、メルカリのミッションに貢献することによりよりワクワクするチャレンジができる環境を提供していきます。チャレンジングな貢献を通じてよりエキサイティングなキャリアが創出されていくサイクルを実現したいと考えています。
これはEngineering Office Vision2022で掲げている目標の一つですが、引き続き追いかけていきたい目標です。「メルカリにジョインするとチャンスが増える」という環境を作るのが理想です。

まとめ

Engineering Officeが組織強化として次のステップで進めていこうとしていることを紹介しました。まだまだ解像度が低い部分もありますが、方向性だけでも伝われば嬉しいです。
メルカリはこれからも事業を拡大していきます。そのためにはもっと多くの方々と一緒に働く事ができる仕組みを作っていく必要があります。Engineering Officeはメルカリのエンジニアリング組織の実現力を最大化するために引き続き活動を行っていきます。

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