メルカリのエンジニアリングカルチャーについて

こんにちは。メルペイVPoEの@jorakuです。
この記事は、Merpay & Mercoin Advent Calendar 2024 の記事です。

メルペイに入社して半年が経ちました。この期間で改めて個人的に実感した「メルカリらしさ」についてお話ししたいと思います。メルカリといえば、Go Bold / All for One / Be a ProといったValueが知られていますが、メルカリグループの魅力はそれだけにとどまりません。多様性を尊重し、挑戦を恐れず、学び続けるこの環境は、成果を最大化させる基礎を築き、自分自身やチームの成長にも大きく貢献しています。

1. Go Global / 多様性を包摂する文化

メルカリには55カ国からプロフェッショナル人材が集まっています。特にエンジニアの半数以上は外国籍の優秀なエンジニアであり、異なる文化や考え方に触れることで、自分の視野が広がるのを実感します。この「多様性」は単なるスローガンではなく、日常の中で感じられるリアルなものです。
特にメルカリはグローバルに展開し、かつ国内外問わず多様なモノや価値の循環を行っているため、異なる視点やアイデアを生み出すことに貢献しています。

参考:
メルカリIMPACT REPORT

GOTサポートで言語の壁を越える

多様な背景を持つメンバーが活躍する中で、GOT (Global Operations Team) のサポートは非常に心強い存在です。同時通訳者の組織が整備されており、必要に応じていつでも誰でも活用できます。これにより、言語の壁を感じることなくスムーズに仕事を進められます。私も活用することがありますが、GOTの皆さんの技術用語の理解の深さには毎回驚かされます。

参考:
GOTの取り組み
言語サポートの仕組み

やさしい日本語とやさしい英語

さらに、お互いの理解を深めるために「やさしい日本語」や「やさしい英語」を使う文化も根付いています。「伝わりにくいことは歩み寄る姿勢」が自然と浸透しているのは、メルカリらしいポイントだと感じます。

参考:
やさしい日本語・英語の活用

2. Scrap and Buildの精神

メルペイに入って感じたもう一つの素晴らしい文化が、技術的負債の解消やシステムのリアーキテクチャといった「Scrap and Build」の精神です。技術だけではなく組織や人材まで及びます。現状に満足することなく、常に改善を目指して行動する姿勢が、エンジニアとしてのやりがいを大きくしています。過去の話ですがアプリをゼロから作り直した話はとてもGo Boldな取り組みでした。そのような大胆な意思決定が可能であり、それを最後までやり切る力がメルカリの強みです。
現在も、多くのマイグレーションやリアーキテクチャが行われ、常に進化し続ける土台を作っています。12/6の@hibagon-sanのアドベントカレンダーにおいてもMerpay API Rearchitectureについて触れられています。

参考:
大型プロジェクト「GroundUp App」の道程
iOS&Androidのテックリードが振り返る、すべてがGo Boldだった「GroundUp App」
メルカリ新卒1年目のエンジニアが最初の7ヶ月間でやったこと

循環する組織

また、半年ごとに役割が変わるほどの柔軟な組織体制も魅力です。これにより、新しいチャレンジが可能となり常に新しい知識や経験を重ねることができます。もちろん専門性を深掘りしたい人はその意思も反映されます。
一度メルカリを離れたとしても、再びメルカリに戻ってくる人材も少なくありません。このような柔軟な文化が、組織としての強さを支えています。
社外に応募している職種はそのまま社内公募(Bold Choice)にも出されるため、自分のキャリアを後押しすることも可能です。

参考:
Talent Development(Bold Choice)

3. ドキュメント文化

メルカリで働く上で特に印象的なのが「ドキュメント文化」です。この文化は、メルカリが持つ透明性と効率性を象徴するものといえます。

会議前の「読む読むタイム」

会議によっては事前に議題に関するドキュメントが作成され、参加者が「読む読むタイム」を持ちます。この時間を通じて、全員が同じ情報を共有した状態で議論を始めることができるため、深い議論や迅速な意思決定が可能になります。さらに、意思決定の背景や議論の経緯もドキュメントに残されるため、後から過去の決定やプロセスを追跡することができます。

図よりも文字で表現

提案資料や説明の場では、Power PointやSlideを使うのではなく、文字で詳細に表現するのが特徴です。これは、図では曖昧になりやすい部分も正確に伝えることができるためです。この文化は、Amazonの「ナラティブ文化」に似ていますが、メルカリ独自の進化を遂げています。

VisionならびにRoadmapの言語化

特に興味深いのは、VisionやRoadmapの作成が全社員に求められる点です。多くの企業では、方向性の策定はDirectorやその上の役職者が主に担当しますが、メルカリではプロジェクトをリードする社員にはVisionやRoadmapを作成することが奨励されています。このプロセスにより自分やチームの進むべき方向性や戦略を明らかにし、ステークホルダの共通認識や期待値の調整が容易になります。長期的な視点をもったアーキテクチャに取り組むこともできます。これが、個人の成長とメルカリ全体の方向性をリンクさせる鍵となっています。

参考:
メルカリエンジニアリングのロードマップ作成

4. 成長し続ける環境

最後に、学びのサポートについてです。成長自体は業務における成果によってもたらされますし、成長するかしないかは全ては個人の問題だと捉えています。ただ、メルカリではエンジニアの成長を後押しする制度が整っています。お互いが学び合うOpen Doorは頻繁に開催され、プリンシパルエンジニアによるAsk me anything など。また、書籍購入支援や、O’Reilly Safari Books Onlineの提供、海外カンファレンスへの参加など、個人の成長を強力に後押ししてくれます。このような支援のおかげで、自分のスキルを高めることができ、より高いパフォーマンスを発揮できるようになっています。

参考:
Fintech Tech Talk at Office Week を開催したよ!
Talent Development(Learning Support)

参考:
メルペイエンジニアが参加した/予定の海外カンファレンス(一部)

Conference Name Technology Area
Droidcon Berlin/Lisbon/London/San Francisco/NYC Android
GopherCon UK 2024 Backend
QCon 2024 Shanghai Backend
SREcon24 Europe/Middle East/Africa , Americas SRE
Pragma Conference 2024 iOS
SwiftLeeds 2024 iOS
KubeCon + CloudNativeCon North America SRE
Do iOS 2024 iOS
Agile Testing Days 2024 QA/Testing
AppDevCon 2025 Mobile
KotlinConf 2024 Android
Google I/O 2024 Android
EuroSTAR Conference 2024 QA/Testing
WWDC24 iOS
React Advanced London Frontend

終わりに

メルペイに入社して半年、メルカリのエンジニアリングカルチャーの強みを日々実感しています。これまで多くの事を学び取り入れてきたつもりですが、この短い期間で、全く異なる変化を生み出せている事を感じています。それは、メルカリの文化がGo Globalな挑戦を後押しし、常に進化し続ける環境を提供してくれるからだと思います。引き続きこれまでの強みを活かした組織を作っていければと思います。

また、メルカリグループのミッションである「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」、そしてメルペイのミッションである「信用を創造して、なめらかな社会を創る」は、特に今の時代において、その意義と重要性を増していると感じます。いき過ぎた資本主義や、社会や経済が目まぐるしく変化する中で、これらのミッションは多くの人々にとって新しい価値を提供し、持続可能な未来を形作るための力になると確信しています。このミッションへの思いはまた別途述べる事にします。
この記事を通じて、少しでもメルカリのエンジニアリングカルチャーについてお伝えできていれば幸いです。

次の記事は cyanさんです。引き続きお楽しみください。

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