この記事は、Merpay Tech Openness Month 2023 の12日目の記事です。
こんにちは。メルペイ Engineering Engagement Team の@mikichinです。
私たちのチームは、「メルペイのエンジニアリング組織をスケールさせる」をミッションに、候補者体験(Candidate Experience)と従業員体験(Employee Experience)を業務領域としています。
わたしはTech PRとして、候補者体験(Candidate Experience)の「認知」「興味」の領域を担当しています。
今回ご紹介するのは、わたしが2022年11月から現在まで取り組んできたことで、指標策定と、PDCAサイクルのPlan・Doの部分になります。
Plan
ミッション・役割を定義する
以前から社内でTech PRのミッションや役割は暗黙的に認識されていましたが、改めて明確に定義することにしました。定義するにあたって、社内ドキュメント「メルカリ、メルペイエンジニアリング組織の技術広報の方向性(※1)」を参考にしました。
■ミッション
メルペイのエンジニアリング組織に関わる発信(技術、ヒト、組織 etc.)が継続している仕組みをつくる
■役割
①発信し続ける状態をつくる
②認知されたい印象につながるような発信に取り組む
役割①は発信量、役割②は発信内容を指します。
発信量と発信内容を担保して、「認知」「興味」の領域において候補者が第一想起する企業郡にメルペイが含まれることを期待します。
また、役割①②における具体的な施策を考える際は、メルカリグループおよびメルペイのロードマップ(※2)を参考にします。
現状把握(データ収集・分析)
現状把握のため、2つのアプローチを取りました。
1つ目は、過去実績の整理です。過去の発信数とその変遷、発信内容、発信者数などを調べました。
2つ目は、メルペイのエンジニアに対して個別インタビューも含めアンケート調査をしました。
指標を決める
現在、メルペイ Tech PRは役割①「発信し続ける状態をつくる」に注力しています。
最初は、FY2022の実績を参考にして全体および各技術領域の発信数を指標とした計画をたてました。すると、現実的ではない数字目標になってしまいました….!
▲分析資料の一部
上記の「FYごとの発信数推移」の図を見ると、FY2022(※3)はFY2021と比較すると4倍近くの発信を実施していることがわかりました。
この時期は、全社的に採用を強化していた時期であり、現場からの要望も強くTech PRとしては発信を促進しやすい状況で異常値であることがわかりました。
改めて、Tech PRとして目指したい「発信し続ける状態」とはどんな状態なのかを再考しました。限られたメンバーで発信を行うのではなく、メルペイのエンジニアリング組織に所属する全メンバーがメルペイの技術発信をしている状態をつくりたいと考えました。
PJの状況や緊急対応など時間がない時期もあるかと思いますが、メンバーで順番に「発信し続ける状態」を維持していきたい、そしてそれがわかる指標をつくりたいと考えるようになりました。
そこで、下記3つの指標にたどりつきました。
- アンケートの回答率:アンケートデータとして偏りをなくし、組織の正確な状態を確認するための指標
- 直近半年の発信実施率:発信し続ける状態を維持しているかを確認するための指標
- むこう半年の発信意欲:今後も発信し続ける状態を維持することができるかを確認するための指標
▲各指標の目標数値
課題設定→施策検討
次に、目標達成に向け、課題設定と施策を検討しました。
施策を検討するにあたって、インパクトエフォートマトリクスというフレームワークを使いました。インパクトエフォートマトリクスとは、インパクト(影響度)とエフォート(かかる工数)をマトリクスにして優先順位を決める方法です。
まず、アンケート調査から課題と施策を洗い出しました。続いて、その施策の工数、効果を算出しました。
▲課題と施策の洗い出し(一部)
その後、インパクトエフォートマトリクスを用いて実施する施策の優先順位を決めました。「②すぐに行動する」を中心としつつ、わたし自身の全体工数を考慮しながら、「①パッとやって小さい効果」「④プロジェクト化を検討」の施策を組み合わせながら実施する施策を決めました。
Do:施策実施
大きく分けて3つの施策を行いました。「発信機会・場の提供」「ネタだしの支援」「発信にかかる準備時間の短縮」です。
発信機会・場の提供
アンケート結果によると、発信をした一番の理由は「発信機会や場があったから」ということでした。わたし自身、このブログも「Merpay Tech Openness Month 2023」という企画があったから執筆したと思います(笑)。こういった企画があると発信するきっかけや後押しにつながっていることがわかります。
その他にも、メルカン記事「Swift愛あふれるメルペイiOSチームに直撃。3年ぶりに開催された「try! Swift Tokyo meetup」はどうだった? #tryswift」やイベント「Merpay Tech Talk〜PM、Backendエンジニアによるメルカードの開発舞台裏大公開〜」などもTech PRが企画をしお声がけしました。
ネタだしの支援
発信をしなかった・できなかった一番の理由は、「ネタがなかった」でした。「ネタがない」という言葉にはいろいろなケースが含まれていると思いますが、まずはネタ出しのヒントになるものを準備したいと考えました。
そこで、メルカリエンジニアリングブログで公開されているブログを技術領域別の記事、複数人で執筆した記事などパターン別にまとめました。
発信にかかる準備時間の短縮
発信をしなかった・できなかった理由で「発信する時間がなかった」も多くいただきました。通常業務もある中、発信する時間がないというのは非常に理解できますし、Tech PRだけではなかなか根本的な解決ができない課題でもあります。
Tech PRとしてできることは、極力発信にかかる時間を短縮するサポートを行うことです。そこで執筆を外部ライターに依頼したり、準備に時間をかけないイベントを企画したりしました。
まとめ
今回、メルペイ Tech PRとしてまわし始めたPDCAサイクルのさわりをご紹介させていただきました。
この6月に初めての振り返りを行います。今、メルペイエンジニアにアンケートをとり、結果を分析している最中です。Check、Actionの取り組みについては今後またブログでご紹介できたらと思います。
これからもエンジニアメンバーとともに、メルペイのエンジニアリング組織の魅力を発信し続けていきたいと思います!
明日の記事は @orfeonさんです。引き続きお楽しみください。
Appendix
※1:技術広報の方向性は、以前外部メディアで紹介しているので、「メルペイが実践する『技術広報』とは?『採用広報』との違いは何か」をご参照ください。
※2:ロードマップについては、メルカン「ロードマップ経営に必要なのは、「ミッションを本気で達成する」と決める“狂気” #メルカリのイシューを分解する」をご参照ください。
※3:FY2022は2021年7月から2022年6月の1年間を指します。