Agile 2018 でソフトウェアテストの未来を感じてきました

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こんにちは。メルカリの Automation & QA グループ(通称AQA)でQAエンジニアリードをぶりぶりやっているすがぴーです。

アメリカのサンディエゴで開催された Agile 2018 に参加してきました。このカンファレンスには2000人を超えるソフトウェア開発関係者が集まり、5日間で300以上のセッションがある大規模なイベントです。

私は今年はじめての参加だったのですが、私自身の現場でも役に立ちそうなアジャイルテスティングやコーチング、エンタープライズアジャイルといったテーマを中心にセッションに参加してきたので、驚かされたことや気づいたことを紹介させていただきます。

 

なぜ Agile 2018 なのか?

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メルカリはモバイルアプリが中心のサービスです。その開発方法は、従来型の

  • 要件が詳細まで明確に決められていて
  • リリース後は運用フェーズに入り
  • ソフトウェアの納品先とエンドユーザ(利用してくださるお客さま)が分かれている

わけではなく

  • 要件を考えながら作っていき
  • リリースしてからも改善が続いて
  • スマホアプリという形でお客さまに直接価値を届ける

かたちが向いています。

私の仕事は、この継続的に、お客さまにとっての価値を提供していくビジネスアジリティに対して、日頃、QA活動を行いつつ、開発プロジェクトのプロセス改善や、ふりかえりなどのアクティビティ支援をすることから、アジャイル開発について以前からとても興味があり、参加することにしました。

もともと、メルカリでは海外カンファレンス参加への支援を活発に行なっています。AQAでも今年から「AQA I/O」と名付けた取り組みを進めており、

アウトプットを出す人にインプットを! インプットを得たらそこからアウトプットだけでなくさらにアウトカムを!

を合言葉に、業務に直結する「ソフトウェアテスティング」や「テスト自動化」を中心としたテーマに絞り、自動化に関わるエンジニア(Software Engineer in Test: 通称SET)だけでなく、QAエンジニアも積極的に参加しながら、世界トップレベルの品質&生産性改善組織を目指そうとしています。

インタラクティブなセッション

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このカンファレンスには「Talk」と「Workshop」の二種類のセッションタイプがあります。Talk はその名の通り、プレゼンが主となるセッションです。ワークショップはグループに分かれてのディスカッションやハンズオンが開催されます。

カンファレンスと聞くと、登壇者がしゃべり、参加者が聞くという一方向なイメージがありましたが、Agile 2018では双方向のやりとりが活発であり、もっといえば、そこに別の参加者も加わり、登壇者と参加者、そして参加者同士といった、多方向でのインタラクティブなやりとりになることもしばしばです。

Talkセッションであるのにディスカッションがはじまったり、キーノートですらはじめにワークショップ(隣りに座っている人と話すアイスブレーク)が行われます。

参加者は、世界各国の様々な企業、多岐に渡る職種の人々で溢れていて、誰もが「アジャイル」というキーワードに関心を持っており、改善が大好きな人達が集まるので、ディスカッションではそれぞれの職場の課題やチャレンジが熱く語られ、どの人もパワフルな「AGILIST」ばかりでした。

参加メンバー同士の出会い

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ワークショップはランダムにテーブルに座ったメンバー同士で始めていくので当然のことながら皆初めて顔を合わす人ばかりです。はじめは「このテーブルに参加していい?」と聞くのがちょっと恥ずかしいですが、誰もが「おー!おいでおいで!」と歓迎するムードを作ってくれるため、英語が得意でなくても参加しやすい雰囲気となっています。

同じセッションに、ランチが同じテーブルだった人や、休み時間で話した人などがいたら、またそこで会話が盛り上がって一緒にワークショップしたり、Agile 2018 は人脈を広げる場として、とてもうまく機能している場だとも感じました。

 

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これは最終日前日のパーティーの様子ですが、みんなドリンクを片手に、曲に合わせて歌い・踊っていました。

エンタープライズアジャイル&スクラム セッションレポート

1日に多くて4つのセッションに参加でき、それが5日間続くため、全部でたくさんのセッションに参加できるのもこのカンファレンスの魅力の一つです。

その中でも私が特に面白く感じたのが、ペイパルの Head of Agile Coaching & Excellence, である Alan Padula 氏 の 「Home Remedies for Allergies to Enterprise Agile and Scrum Masters」です。

Alan Padula氏は過去にヒューレット・パッカードでR&Dエンジニア/プロジェクトマネージャー担当されており、現在は Paypal にてアジャイルコーチチームのリーダーをされています。

このセッションでは、なぜ企業でアジャイルがうまくいかないのか、そしてそれをより良くするためのプロセス、行動、マインドセット、組織の進化モデルについて、以下の12の原則を通じて紹介してくれました。

  • 速く・継続的にユーザーへ価値を届ける
  • 継続的な改善
  • 技術的優位性
  • メンバーと毎日のコラボレーション・共動作業
  • 変化を歓迎する (ビジネスの変化とそれに伴うスペックの変化)
  • 持続可能なペースでのプロダクト開発
  • 計測可能なソフトウェア開発
  • 自己組織化されたチーム
  • KISS (Keep it Short and Simple)
  • メンバーへの信頼と仕事へのモチベーション
  • タイムボックスを設定したイテレーション開発
  • Face to Faceのコミュニケーション

アジャイル開発では、組織の成長だけでなく、個人のマインドセットの変化やそれを持っての行動がとても重要だなと感じていたので、紹介してくださった具体的な原則がとてもしっくりきました。

おわりに

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今回、Alan Padula 氏 のセッション以外でも、初めて目にするフレームワーク、モデルなどがあり、カンファレンスが終わった後に深掘りして考えていきたいと思います。アジリティを追求し続けている AGILIST が集うカンファレンスに参加して刺激とパワーと知識をもらったので、これからの業務に生かしていきたいと思います。

 

PS… その他セッションの参加レポートをCodeZineさんに書かせていただきました。そちらも参考までにどうぞ!

codezine.jp

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PS・・・テストや自動化の話をカジュアルにできるようにFacebookグループ [Agile Testing, Automation and QAの現場](https://www.facebook.com/groups/899860193555436/) を作ってみました。もしご興味があれば、ぜひ遊びにきてください!

 
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