昨年末に、BASE社、hey社、ソウゾウ社合同で【CTO登壇】BASE・hey・ソウゾウが描く「ECの未来と実現する組織の今」というイベントを開催しました。
この記事では、当日の内容を簡単に紹介します!
イベント概要
ECプラットフォームを運営するBASE・hey・ソウゾウの3社が、各社それぞれが描くECの未来や、組織についてパネルディスカッションしました。
登壇者
BASE株式会社 執行役員CTO 川口 将貴氏
ヘイ株式会社 CTO 藤村 大介氏
ソウゾウからはCTOの名村(@suguru)が登壇し、Software Engineer/EMの成田(@motokiee)がモデレータを務めました。
登壇者の詳しいプロフィール、登壇企業に関する詳細はイベントページを参照してください。
https://mercari.connpass.com/event/232975/
各社の組織体制
BASE
BASE株式会社 執行役員CTO 川口 将貴氏(以下、川口氏):ネットショップ作成サービス「BASE」およびショッピングサービス「Pay ID」の企画・開発・運営を行なっています。開発組織は約100名で、目的別に大きく4つの役割に分かれています。
- Service Dev
- Service Operation
- Data Strategy
- Corporate Engineering
hey
ヘイ株式会社 CTO 藤村 大介氏(以下、藤村氏):ネットショップ開設、POSレジ、キャッシュレス決済、オンライン予約システムなどお商売のデジタル化を支援する「STORES プラットフォーム」を展開しています。
テクノロジー部門の体制は、プロダクトごとの組織、横断の組織が両方ある体制になっています。EC・決済・予約は各プロダクトごとの組織で、プラットフォーム本部は複数プロダクト間のアカウント統合、ユーザー体験の共通化などを担っています。データ本部はプロダクトのデータ分析だけではなく、事業上のKPIモニタリングなども行っています。CTO室は各本部のMgrが所属しており、約120名の組織全体の課題を解決できるような体制を取っています。
Souzoh
ソウゾウ 取締役CTO 名村(以下、名村):ソウゾウはメルカリグループの新規事業を担う会社で、Eコマースプラットフォームの「メルカリShops」を運営しています。2021年1月に設立された会社なのでまだ規模としては小さいですが、プロダクトを主に開発するチームと、それぞれのチームを技術的にサポートをするチーム(Enabling Team)に分かれて開発しています。
川口:Enabling Teamは今のソウゾウの規模でも必要になるんですか?
名村:こんなチームがあったらいいんじゃないと思って作ってみたら、意外と機能したという感じですが、この1年を振り返ってみるとあってよかったなと思いますね。
組織の今
組織の現状と課題
藤村氏:元々は別会社だったチームが一つのエンジニア組織になっているので、プロダクト横断の開発がやりづらかったりするんですよね。でも、この規模になると共通化した方がいいことや、専門チームがあった方がいいことが出てきて、以前から課題としては認識はしていましたが、現実的なニーズとして出てきていますね。
川口氏:人数が増えたことで、マネージャーが不足していて、採用や次のマネージャーの育成なども含めて兼務が増えてしまっていることは課題ですね。マネージャーになるか、技術で尖るかだけはなく、サービスにしっかり向き合って運用できる人も貴重なので、いろいろな人が増えたからこそ、それぞれのロールやキャリアプランは考えていく必要はあると思っています。
名村:ソウゾウははじまって1年の会社なので、大きな組織の課題は起きてないと感じていますが、ECは決済や配送など幅広いドメイン知識が必要なので、その中でプロダクトチームをいかにクロスファンクショナル、かつ一つのチームで完結させられるか、という点は今後の課題になってくると思っています。
今はチームが少ないのでドメインに囚われずに幅広い領域を見ながら開発ができていますが、人数が増えてくるとそれぞれがドメインに特化して、合意形成が難しくなったり、スピード感が失われてしまったりすることがあるので、いかにそれぞれがあらゆる場所を触りながら進められるようにしていくかということは今後の起こり得る課題として意識していますね。
川口氏:配置移動や異動制度とかがあると、ある程度流動性は担保されますよね。
名村:ただ、マネージャーが頻繁に変わってしまうとメンバーに対する評価も一貫性がないものになってしまってキャリア上良くないので、プロダクトに対するチームの編成と、レポートラインをどのくらいアラインするのかという点でも難しいなと感じています。
川口氏:たしかに、メンバーとの1on1も、マネージャーが頻繁に変わるとなかなか本音を話しにくくなると思いますし、悩ましいところですね。
エンジニアの評価制度について
藤村氏:兼務していたり、一時的に複数のプロジェクトを担当している場合に、どうやって評価するかという点でも悩ましいところがありますよね。専門家組織としてのレポートラインと、プロジェクトのレポートライン両方で評価する、とかは考えたりしましたね。
川口氏:評価って、人数が増えてくると大変になってくると思うんですが、エンジニア全員の評価って見てますか?今は100人くらいだから全員見れるけど、3倍とかになったらどうするんだろうと思いますよね。
藤村氏:僕も今は全員の評価を見てますが、300人とかになったらそれだけの人数の評価をつぶさに観察するのって難しくなってくるとは思いますよね。
名村:実際、それくらいの人数の時にCTOだったんですけど、だんだん難しくなっていきましたね。階層が増えていくので、徐々に移譲していくしかないですし、評価もできるだけ仕組み化して給与の計算は自動的にされるものだという前提で、わかりやすくしていく必要はあると思います。
あとは、サプライズをなくすことも大事だなと思いますね。給与査定のタイミングで「あれ、思ったのと違う」とならないように、サプライズをなくして仕組みでカバーするようにしていましたね。
これからさらなる成長フェーズを迎えるにあたり、エンジニアにどのような要素が求められるか?
藤村氏:コーディングスキル以外を伸ばすより、コーディングスキルを伸ばした方がいいかもしれないですね(笑)。もちろん、いろいろ求めたいものはあるんですが、とはいえコーディングスキルは求めるので、そこを突き詰めるのが良いんじゃないかなと思いますね。
名村:そうですね、僕は自分で決められるかどうか、というところに尽きると思っていますね。コーディングスキルが高ければ、自分で意思決定もできると思うし、人に頼らず自分で考えて動けるエンジニアが強いなと思います。
川口氏:たしかに、最近だとマイクロサービスが多くなっていく中で、マイクロサービスごとにフレームワークや技術選定する必要も出てきて、決める機会って増えてきていますよね。
藤村氏:意思決定することって責任を伴うと思うので、そういうことを乗り越えて強くなっていく、みたいなところはありますよね。自分の決断で物事を進めるってそんなに簡単なことじゃないので。
成田:まだまだ話足りないですが、そろそろお時間ですね。皆さま、ありがとうございました!
最後に
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