「Merpay Tech Talk 〜3年で50ヵ国へ。メルカリ決済基盤アーキテクチャ刷新の舞台裏〜」を開催しました! #merpay_techtalk

2026年8月12日に、「Merpay Tech Talk 〜3年で50ヵ国へ。メルカリ決済基盤アーキテクチャ刷新の舞台裏〜」をオンラインで開催しました。

この記事はイベントレポートです。配信当日の内容を簡単に紹介します。詳しくは、YouTubeで公開している配信アーカイブ動画をご視聴ください。

イベント概要

メルカリは、日本に出品された商品を海外のお客さまが購入できる「メルカリグローバルアプリ」を提供しています。2025年に台湾でサービスを開始し、2026年春には米国でも展開しました。今後は3年以内に50ヵ国以上へ拡大することを目指しています。

サービスを多くの国へ展開するには、多通貨への対応だけでなく、国ごとに異なる決済手段や決済事業者との接続、言語や商習慣に合わせた決済画面、会計システムとの連携など、幅広い課題を解決する必要があります。

今回のイベントでは、グローバル展開を決済面から支えるPaymentチームのエンジニアが登壇し、決済画面と決済基盤のアーキテクチャをどのように刷新したのか、開発を通じて得られた成果や新たな課題とともに紹介しました。

登壇者

今回の登壇者は、Paymentチームでバックエンド開発に携わる以下の3名です。

  • tanaka0325 / 株式会社メルペイ Backend Engineer
  • ryuyama / 株式会社メルペイ Backend Engineer
  • tomo / 株式会社メルペイ Backend Engineer

3年で50ヵ国へ向けたPaymentチームの取り組み

メルカリグローバルアプリの拡大に向けてPaymentチームのミッションには、多通貨や各国の決済手段への対応、決済画面のカスタマイズ、決済事業者との接続、会計システムとの連携などがあります。

今回のセッションでは、そのなかでも「決済画面」と「決済基盤」という2つの領域に焦点を当てました。新しい国や決済手段への展開を速めながら、プロダクトごとの柔軟性と、決済プラットフォームとしての一貫性・安全性をどのように両立したのかを説明しました。

決済画面を共通化するCheckout Solution

決済画面では、Paymentチームが提供する共通基盤「Checkout Solution」を活用しています。Checkout Solutionは、メルカリのさまざまなサービスが同じ仕組みの上で決済画面を提供できるようにするもので、2024年から国内向けに稼働しています。グローバルアプリでも、この仕組みを土台にしました。

以前は、新しいサービスを立ち上げるたびに各プロダクトチームが決済画面をゼロから実装していました。特に、3Dセキュアのような複雑な非同期フローをプロダクトごとに実装する必要があり、開発コストが大きくなるという課題がありました。

Checkout Solutionの考え方は、決済画面を「どのサービスでも同じ部分」と「サービスごとに違う部分」に分けることです。例えば、支払い方法を選ぶ欄や、購入ボタンを押したあとに支払いを確定する処理は、どのサービスでもほぼ同じです。一方で、配送方法の選択やクーポンの適用は、商品を発送するサービスと配送が不要なサービスとでは大きく異なります。

Checkout Solutionでは、前者を「Core Elements」、後者を「Flex Elements」と呼び、開発する担当も分けています。Core ElementsはPaymentチームが一度つくりすべてのサービスで共通利用し、複雑な決済処理をここに集約しています。Flex Elementsは各プロダクトチームが、自分たちのサービスに必要な要素だけを実装します。

この分け方により、新しいサービスの決済画面をつくるときは、プロダクトチームはFlex Elementsのデザインと設定を追加するだけで済み、内部の決済処理に手を入れる必要がありません。逆に、新しい決済手段を追加するときは、PaymentチームがCore Elementsを一度更新すれば、すべてのサービスの決済画面に反映されます。

グローバル展開に向けた決済基盤の刷新

決済基盤では、外部の決済事業者との接続と、残高・売上・会計イベントの管理方法を見直しました。

1つ目は、外部の決済事業者とのつなぎ方です。クレジットカード会社や各国の決済サービスなど、実際にお金を動かす事業者はPayment Service Provider(PSP)と呼ばれ、決済手段や国ごとに接続の仕方が異なります。

従来の決済サービスは日本国内向けに発展してきたため、こうしたPSPごとの接続ロジックが決済の中核サービスであるPayment Serviceに直接組み込まれていました。その結果、新しい決済手段や通貨を1つ追加するだけでPayment Serviceに手を入れる必要があり、展開する国が増えるほど開発が難しくなる構造になっていました。

そこで、PSPとのやり取りだけを担当する「Payment Provider Service」に切り出しました。PSPごとの違いはすべてこのサービスのなかで吸収し、Payment Serviceは「どのPSPを使っているか」を意識せずに、注文から支払い完了までの流れを管理することに集中できるようにしています。

この分離によって、新しい国や決済手段を追加するときの変更範囲を、Payment Provider Serviceのなかに限定できるようになりました。

2つ目は、残高・売上・会計記録の管理方法です。決済が1件成立すると、お客さまの残高の増減、事業としての売上、そして会計上の記録という3種類の記録が発生します。従来はこれらを別々のサービスが管理し、その整合性を決済サービスが調整していたため、仕組みが複雑になり、記録どうしのずれを防ぐことが難しくなっていました。

新しい「Balance V2 + Bookkeeper」では、会計で使われる複式簿記の考え方を取り入れています。「今いくら残っているか」という残高と、「なぜ残高が変わったのか」という理由を必ずセットにし、1つのトランザクションとして同時に記録します。片方だけが記録される状態を許さないことで、決済と会計のずれを構造的に防いでいます。

刷新後の決済基盤は、グローバルアプリ向けにリリースし、クレジットカード、Apple Pay、Google Payをサポートしています。Apple PayとGoogle Payを追加した際は、上で紹介した仕組みにより、バックエンドの開発から品質保証までを約1カ月で完了できました。

最後に

3年で50ヵ国という目標に向けて、Paymentチームは決済画面と決済基盤の両面から、グローバル展開を支えるプラットフォームづくりを続けています。

今回紹介した内容の詳細や、登壇者による質疑応答は、ぜひ配信アーカイブ動画でご覧ください。

また、Merpay Tech Talkは、定期的にエンジニア向けのイベントを開催しています。イベント開催案内を受け取りたい方は、connpassグループのメンバーになってくださいね!

メルカリconnpassグループページ

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