OKRの運用や教育、今後のキャリア…他社のQAはどうしてる?#cybozu_merpay

2021年9月28日に開催したサイボウズとメルペイのコラボイベント「QA Talk 〜現場のチームの作り方。QAチーム設立21年目サイボウズ x 3年目メルペイ〜」の続編として、情報交換会をサイボウズの東京オフィスにて実施。そのときの様子をレポートとしてお届けします。

各社のQAエンジニアの役割や業務について話したレポートはこちらです。
△上段メルペイ:左から@Enn、@miisan / 下段サイボウズ:左から@chiemi、@nanami、@hitomi

登壇者紹介

@chiemi(サイボウズ):2020年6月にサイボウズへキャリア入社し、サイボウズOfficeやメールワイズといった製品のQAを担当している。

@nanami(サイボウズ):2018年4月にサイボウズへ新卒入社。サイボウズのクラウドサービス(kintoneやGaroonなど)のログイン機能、管理者画面を開発するチームでQAを担当している。

@hitomi(サイボウズ):2019年4月にサイボウズへ未経験者採用で入社。業務改善プラットフォームkintoneの開発チームでQAを担当している。

@Enn(メルペイ):2021年2月にメルペイ入社。メルペイスマート払いの一括払いや定額払いのQA業務を担当している。

@miisan(メルペイ):2018年メルペイ入社。信用・与信の領域やオンライン決済の立ち上げなど複数のプロダクトに関わる。現在は、QAチームのエンジニアリングマネージャーを担っている。

OKRの運用、どうしてますか?


@chiemi(サイボウズ):メルペイさんでは、OKRをどう運用されているのかお聞きしたいです。他部署や他チームでどう協力し合っているのか気になります。

@Enn(メルペイ):メルペイでは、まず全社のOKRを設定して、そこから部署、チーム、個人とOKRをおろしていくんです。そうすることで、チームや部署でOKRが異なっても「目指すゴールは同じだから」と手を取り合えるようになっています。

また、前職でもOKRの制度は導入されていたのですが、そこでは会社のOKRはなく、自分の目標としてOKRを設定していました。このやり方ではゴールが見えづらくて、せっかく目標を設定しても果たしてこれが会社にとって良いのか、自分のキャリアパスにとって良いのかが分からなくなってしまったんですよね。

自分のOKRの達成が、会社の成果につながる実感を持てるといった点でも、トップダウン型のOKRは効果的だと感じています。

@hitomi(サイボウズ):トップから落としていくことで、会社としても個人としても納得感のあるOKRになるのですね。

@miisan(メルペイ):メルペイではOKRはトップダウンで決まっていきますが、経営陣でOKRを決めるまでの議論はオープンな場で話し合われるので、OKRが決まっていった過程を全社員が知ることもできます。だからこそトップダウンで決まっても納得感が一定生まれていると感じます。また、OKRを達成するための“進め方”はボトムアップで決めていきます。

そうすると、「私の強みはこれだから、チームのOKRのこの部分を達成できるようがんばります!」というように、チームメンバーそれぞれの強みを生かした運営ができるんです。OKRは方向性であり指針、そしてそれをどうやって達成していくかはそれぞれで考え決めていくというのがポイントかなと思います。

@nanami(サイボウズ):メルペイさんは、OKRが全社的に浸透しているんですね。トップからのメッセージを個々人に浸透させるため、何か工夫されているのでしょうか?

@miisan(メルペイ):主に2つあります。まず、エグゼクティブメンバーが定期的に全社員に向けてメッセージを発信しているんです。そのため、チームや個人といった小さい単位で動いても、方向性がぶれづらい。

次に、OKRでは150%の成果をあげられるように目標を設定しています。目標をクリアするには、これまでと同じような動き方では達成できない。だから、マネージャーはどうしたらチームのOKRを達成できるか頻繁に考えるし、メンバーとの1on1も定期的に行って、現状の確認と、達成までに必要なアプローチを根気強く行っています。

この2つがあるから、トップダウンでおりてくるOKRを社員全員で意識できているのかなと思いますね。

海外メンバーとのコミュニケーション、どう取っていますか?


@Enn(メルペイ):メルペイでは今後海外に拠点を作る構想があります。サイボウズさんはすでに海外拠点をいくつか持っていて、海外のメンバーとのやりとりも多いかと思いますが、コミュニケーションを取るうえで苦労したことや、工夫していることがあれがお伺いしたいです。

@nanami(サイボウズ):私が所属しているチームには、海外メンバーがいます。日本語でやりとりしているので、コミュニケーションで困ることは実はあまりないですね。

ただ、国をまたぐのでオフラインで会うことは難しく、やりとりはオンラインのみになります。オンラインでもチームのまとまりを感じられるように、チャットツールを多用して気軽にコミュニケーションを取れるようにしたり、口頭でのミーティングも週に1回は行ったりしています。

現在は新型コロナウイルスの関係で行っていませんが、以前は海外メンバーとの交流目的の出張も毎年していました。普段オフラインでなかなか会うことができないメンバーが一同に介して、チームビルディングをしたり、食事をしたりしていました。オフラインの交流会も時々行っていたことで、普段離れていてもチーム感を得られていたのかもしれません。

サイボウズQAの教育コンテンツ「ミネルヴァ」とは?

@miisan(メルペイ):前回サイボウズさんとお話したときに、独自の教育カリキュラム「ミネルヴァ」というプログラムがあると伺いました。新人教育コンテンツに興味がある背景としては、弊社でもゆくゆくはより多様性のある組織拡大をしていきたいと考えているためです。現在は中途採用しか行っていませんが、今後は海外あるいは国内で新卒や未経験採用を行っていきたいと考えています。

まずは、サイボウズさんのミネルヴァができた背景や、どういったレベルの教育を行っているか教えていただけますか?

@nanami(サイボウズ):品質保証部があった頃、新卒メンバー向けの教育コンテンツや各種資料が散在していたため、整理して使いやすくしようと話したのがミネルヴァの始まりと聞いています。 ミネルヴァは各チームで困りごとなく仕事ができるようにするための補助の役割です。

@hitomi(サイボウズ):講義の内容は毎年変わります。新人メンバーと配属先チームの両方にヒアリングして毎年内容を見直しています。講義テーマの例として、「API」「テスト技法」「テストプロセス」などがあります。サイボウズ製品のインフラの構成や、試験環境の構築方法を学ぶ講義もあります。

@miisan(メルペイ):あくまでもサポートの役割で教育コンテンツを作っているとのことですが、新卒が入社した際に受けるような王道コンテンツも他にあるのでしょうか?

@hitomi(サイボウズ):今お話した講義はすべて、新人メンバーが配属された後に行うQA入門講義の内容です。 QA入門講義は各チームのQAが持ち回りで講師を担当しているので、チームを超えた交流の機会にもなっています。

@miisan(メルペイ):毎年研修内容を変えて、しかもチームごとに調整するのって大変じゃないですか?

@hitomi(サイボウズ):過去の講義内容が残っているので、そこまで大変ではないですね。「去年はこのコンテンツだったのですが、今年はどうしましょうか?」とヒアリングするようにしています。

@nanami(サイボウズ):QAの新卒メンバーは人数が多くなく、1人ひとりヒアリングできる規模感です。少人数なので、個別に聞きながら進めるほうが進めやすいと感じています。

@Enn(メルペイ):ちなみに、配属された後、講義がひと通り完了するまでどのくらいの期間となりますか?

@hitomi(サイボウズ):QA入門講義は週に1回、1時間を目安で実施しているので3か月くらいでしょうか。チーム研修がメインなので、その負担にならないようにスケジューリングしています。

@nanami(サイボウズ):新卒メンバーは夏頃に配属されて、その後にQA入門講義が始まるので年内には終わるイメージですね。3~4か月くらいだと思います。

ミネルヴァの具体的な講義内容と今後トライ&改善していきたいこと

@miisan(メルペイ):過去に蓄積した内容をアップデートすると仰っていましたが、直近で何か新しく作っているコンテンツはありますか?メルペイでは教育コンテンツが0の状態なので、0から1を作ることが難しいと思っていまして。最初の立ち上げ方のポイントも知りたいと思っています!

@hitomi(サイボウズ):今年追加した講義の例としては、社外の勉強会の探し方を先輩がレクチャーする会が挙げられます。外部勉強会をどうやって探したらいいか、先輩から教えてもらうコンテンツとなっています。 他にも、キャリアのライトニングトーク会というのも実施しました。これは入社後、先輩社員がどういうチームでどんなスキルを身に付けたのか伝える会です。

こういった教育をどのように0から1で立ち上げたかというご質問ですが、社内に散らばった情報を再編集するのがミネルヴァの始まりだったと聞いています。もともと、各チームや個人間で業務を回すために必要な教育資料が現場ベースで生まれていたため、属人的で非効率だったそうです。散らばった情報をまとめて1つのプロジェクトにしたほうが見やすくなると考えたのだと思います。

@miisan(メルペイ):なるほど。メルペイも各チームにそれぞれのオンボーディング資料があるので、それらを充足していくと全体の共通化にたどり着くイメージが持てました。 ちなみに、サイボウズさんは3人とも担当プロダクトが異なると思うのですが、新人メンバーはすべてのプロダクトをインプットしてから、各チームのカリキュラムに移行するのでしょうか?

@hitomi(サイボウズ):全部のプロダクトの詳細は学ばないですね。例えば私は入社してからずっとkintoneの担当ですが、@chiemiさん(サイボウズ)の担当製品の知識はほとんどないです。QA入門講義では製品に限らず一般的な知識を学ぶ場としていて、週に1回QA入門講義を受けつつ、自分たちの配属先で担当する製品特有の機能などを学ぶ体制となっています。

@chiemi(サイボウズ):kintoneは社内の情報共有で使っているので多少知識はありますが、それ以外の製品は一般レベルくらいしか知らないですね。

@miisan(メルペイ):先ほど仰っていた新しい教育コンテンツは、ミネルヴァのメンバーが決めるのでしょうか。

@hitomi(サイボウズ):今年追加した講義は、新人メンバーからリクエストを受けて作りました。

@miisan(メルペイ):新人メンバーからリクエストされて、社内に答えられる人がいるのが凄くないですか?「〇〇を知りたい」と言われても教えられる人がいないケースも多いと思います。教えられる人の幅が広く、厚いのは素晴らしいですね!

@nanami(サイボウズ): 社内に教育できる人がいないテーマをリクエストされたら、既存メンバーも一緒になって「みんなで学ぼう」という方針をとります。

@hitomi(サイボウズ):たしかに、本や動画などをみんなで見て、一緒に勉強しようという流れにもなりますよね。

@miisan(メルペイ):外部の教育プログラムを教え合うのも良いですよね。外でインプットしたことを、社内に共有するサイクルができているのも素敵だと思いました。

@hitomi(サイボウズ):同じ勉強会に参加した人同士で感想を交換しあう会や、参加した勉強会の報告会も頻繫に行っていますね。

@miisan(メルペイ):今後、教育プログラムや制度まわりでやりたいこと、何か改善したいことはありますか?

@nanami(サイボウズ):チーム間の横のつながりを強化したいと考えています。サイボウズではチームごとに取り組みがかなり異なるので、気軽に情報共有できる仕組みを作っていきたいと思っています。

最近はミネルヴァで、「ハードルの低いLT会」という情報共有の場を月1回30分ほど開催していて、各チームから「こんなことをやってみたよ」「こんな資料見て私はこう思ったよ」など、気軽に伝えあっています。

@chiemi(サイボウズ):私も、横のつながりはもっと必要だと思っています。各チームの取り組みを知るのが少し難しいので、お互いの取り組みやナレッジを、もっと気軽に発信、共有できたらいいなと思います。

@hitomi(サイボウズ):2人の意見に加えて、私は社外発信をもっと増やしていきたいと考えています。ブログ記事などを活用してQAのことをもっと発信したいですね。

@miisan(メルペイ):その考えは同感です。QAの情報は閉鎖的になりがちなので、私もなるべく外に発信して他のサービスの参考になればいいなと思っています。この場を通して、サイボウズさんのお話は本当に学びが多いと感じているので、ぜひもっと発信していっていただきたいですね!

QAのキャリアパス、みんなどう考えていますか?


@nanami(サイボウズ):話は変わりますがサイボウズでは、QAのキャリアパスは明確に示されてはいません。メルペイさんでは何か明確に示されている指針などはあるのでしょうか?

@miisan(メルペイ):メルペイでは、よくフルスタックなQAを目指そうと伝えています。ただテストをするだけでなく、上流からリリース、そして保守・運用も、あらゆる工程において活躍できるQAエンジニアになることです。そこを目標に置くと、QAとしてのテストスキルやエンジニアリングスキル以外にも、マネジメントやコーディングといったスキルも必要になってきます。それを積み重ねているうちに、結果的にどんなキャリアも選択できるようになっていると思うんですよね。

実際に、メルペイではQAから開発や人事に異動したりするメンバーもいます。もちろん、QAのプロフェッショナルとしてキャリアを築いていくことも可能です。このように、明確なキャリアパスを示すものはありませんが、選択肢の数は無限にありますね。

@nanami(サイボウズ):そう考えると、サイボウズもQAのキャリアの幅は広いかもしれません。サイボウズでは、QAと兼務で別業務に関わっている人もいますね。QAのキャリアには、想像以上にたくさんの道があるんですね。

@miisan(メルペイ):最後に、みなさんは今後のキャリアをどう考えているか聞かせてください。

まず私は、チームプレーができるマネージャーになりたいです。マネージャーになるまでは自分が100点を取ることを考えていたけど、これからは複数人で1人では達成できないゴールを目指すチームを作っていきたい。そのためにも、他のメンバーが得意なこと、やりたいことをしっかり汲み取れるリーダーでありたいですね。

@hitomi(サイボウズ):各機能ごとだけではなく製品全体の品質を考えられるようになりたいと思い、現在プロダクトマネージャーの仕事を体験中です。製品全体としてどう品質をあげていくかという視点を持つためには、製品の価値やお客様のことをもっと知る必要があると思ったためです。

@nanami(サイボウズ):@hitomiさん(サイボウズ)と同じく、プロダクトマネージャーに興味があります。プロダクトマネージャーの思考が持てると、ユーザーにとって価値のあるものを的確に判断できるのではないかと思っています。それはQAの業務にも役立つと思っています。

@chiemi(サイボウズ):チームやプロセス改善に興味があります。入社してまだ間もないからこそ、サイボウズを客観的に見れる立場にいると思うので、その視点を活用して改善活動などできるといいなと思います。

@Enn(メルペイ):私はユーザーリサーチをもう少し突き詰めたいです。QA業務の他にユーザーリサーチの業務も少しだけ担当しました。お客さまからいただいた声を実際のUI/UXに落とし込む工程は、いずれリサーチャーやデザイナーのキャリアにもつながるかも、と思います。今はそこまでは考えていないですが、ユーザーリサーチの経験は、QAとしてレベルアップさせてくれそうだなと思います。だから、もっと経験を積んでみたいですね。

最後に

サイボウズとメルペイでは、QAエンジニアを募集しています。ご興味ある方は是非、ご応募ください。


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